NEDOが民間と共同で次世代の太陽光発電開発

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新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)はシャープ・東芝・パナソニック電工・三洋電機・住友化学などと共同で次世代の太陽光発電(太陽電池)の開発事業を始めると発表しました。2010年度から2014年度までの5年計画で初年度から40億円を投じます。31社がプロジェクトに参加する予定です。
2020年に発電コストを1/3、発電効率を20%にすることを目指します。
有機型や薄膜シリコン型などを開発する模様。
2009年の世界シェアで日本勢は14%。中国勢は20%台の後半と推定されています。
中国勢の他にもアメリカのファースト・ソーラーが格安の太陽光発電で世界シェア1位を獲得するなど価格競争が激化しています。
家電や車のようにとくにアジア勢が勢力を伸ばしてくることが予想されます。
このような流れの中で日本メーカーは、やはり技術力を生かした質の戦いになると思います。発電効率や機器の品質などで勝負していくことになるでしょう。

以下は2010年6月30日付NEDOプレスリリース

「太陽光発電「世界一」奪還へ
次世代技術開発プロジェクト始動」
  NEDOは、太陽光発電システムの世界最高の技術レベルとコスト競争力を実現するため、次世代高性能技術開発プロジェクトを2010年度から5年計画で実施します。
 太陽電池の低コスト化や高効率化、長寿命化等について、企業・大学単独の技術開発に加え、企業・大学等の強い相互連携によるコンソーシアム体制も採用し、オールジャパンで世界競争に打ち勝っていくための技術開発に取り組んでいきます。

1.実施分野各分野の研究開発実施機関は別紙を参照ください。
結晶シリコン太陽電池(※1)分野
薄膜シリコン太陽電池(※2)分野
CIS・化合物系太陽電池(※3)分野
色素増感太陽電池(※4)分野
有機薄膜太陽電池(※5)分野
共通基盤技術分野
共通材料分野

2.概要(1)事業の背景
 NEDOは、太陽光発電の更なる普及拡大を目指し、2030~50年までを見通した太陽光発電ロードマップPV2030+(※6)を作成し、そこに掲げた技術課題の解決に向けた技術開発を推進しています。
 他方、ここ数年世界の太陽光発電市場の急拡大に伴い、太陽光発電に関する技術開発の取組みについてもまさに世界規模で熾烈な開発競争が繰り広げられています。日本は、太陽光発電システムの導入量・生産量において長らく世界一を誇っていましたが、欧州を中心に行われている導入普及政策により、市場の中心は欧州へ移り、生産量においても中国・台湾等の新興メーカーの台頭が顕著で日本の地位は相対的に低下しています。
(2)事業の目的
 こうした背景を踏まえ、NEDOは、日本の太陽光発電システムの導入規模を2020年に現状の20倍に増加させ、現下の世界競争に打ち勝っていくための競争力を高めるため、結晶シリコン、薄膜シリコン、CIS・化合物系、色素増感系、有機薄膜系等、太陽電池の更なる低コスト化・高効率化に加え、発電量・信頼性等を評価する技術、太陽光発電システムに係る新材料の開発等に取り組む国家プロジェクト「太陽光発電システム次世代高性能技術開発」を2010年度から5年計画で実施します。
(3)事業の内容
 このプロジェクトでは、2020年までに製品として市場投入できる、またはそれに裨益する開発課題に重点化して実施します。具体的には太陽電池ごとに次のような狙いとしています。
 太陽光発電システム市場の約8割を占める結晶シリコン太陽電池の分野については、特に低コスト化に重点を置き、シリコン原料の低コスト製造技術、シリコン基板の薄型スライス技術、セルの高性能化技術に係る開発を通じ、世界市場で競争力ある低コストで高性能な太陽電池の実現を目指します。
 薄膜シリコン太陽電池の分野については、生産性と品質を徹底的に向上させるための大面積・高速製膜技術、低コスト製造プロセス技術、更なる高効率化に資する技術の開発に取り組みます。 CIS・化合物分野については、生産性・品質向上の取組みに加え、フレキシブルCIGS太陽電池モジュール、集光型PVシステムの開発にも取り組みます。
 色素増感及び有機薄膜太陽電池分野については、高効率化、長寿命化とともに実用化に向けたシステム化のための開発課題に重点的に取り組みます。
 共通基盤技術分野については、発電量・信頼性等を評価するための技術開発、太陽光発電システムのリサイクルに向けた技術開発、太陽光発電システムの低コスト化や性能向上に資する新たな材料等の開発に取り組みます。
 また、これら技術開発の実施体制についても、企業・大学等単独での技術開発による競争力強化に加え、オールジャパンで取り組むことによる技術力の底上げも狙い、企業・大学等が相互連携するコンソーシアム体制による技術開発についても取り組んでいきます。
(4)期待できる効果
 太陽光発電ロードマップ(PV2030+)に掲げる2017年目標の発電コスト:14円/kWh、モジュール製造コスト:75円/W、モジュール変換効率:20%の実現に資する太陽電池の低コスト化、高効率化に係る技術の確立を前倒して目処をつけ、世界の開発競争に打ち勝ちつつ、太陽光発電システムの更なる普及拡大を図ることを可能とします。
関連公募情報

3.お問い合わせ先(本プレスリリースの内容についての問い合わせ先)
NEDO 新エネルギー技術開発部 太陽電池グループ
石神、森田 TEL 044-520-5277

(その他NEDO事業についての一般的な問合せ先)
NEDO 広報室
田窪、廣瀬  TEL 044-520-5151

[用語解説]
(※1)結晶シリコン太陽電池:
最も古くから使われている太陽電池。その構造や性能は時と共に進歩しており、現在でも市場の主流を占めている。「結晶シリコン」とは、シリコンの原子が規則正しく整列していて、材料としてのシリコンが最大限の能力を発揮できる状態だと表現できる。この結晶シリコンの中でも、素子全体にわたって“整列”が保たれた状態を「単結晶」、直径数mm程度の小さな単結晶が集まっている状態を「多結晶」と呼ぶ。変換効率は15~17%程度と市販されている太陽電池の中では高く、戸建て住宅の屋根に設置されているのはこのタイプがほとんど。
(※2)薄膜シリコン太陽電池:
薄膜シリコン太陽電池は、大きなガラス(や樹脂)の基板に、ごく薄い太陽電池を製膜することで製造する。結晶シリコン太陽電池の100分の1前後の厚みで、大面積のものを連続的に量産できる特徴を持つ。ただし、変換効率は低め(7~10%程度)で、設置面積よりもコストを重視する地域などに向けて生産されている。
薄膜シリコン太陽電池には、シリコン原子がランダムに結合した状態のアモルファスシリコンと多結晶シリコンの結晶の粒を50~100nm程度にした微結晶シリコンがあり、これらを多接合(タンデム)化することで高効率化を図る取組みも行われている。
(※3)CIS・化合物系太陽電池:
薄膜太陽電池の長所を備えながら、より高い変換効率が期待できる太陽電池。Cu、In、Ga、Se(銅、インジウム、ガリウム、セレン)等の元素で構成され、構成元素の頭文字を取ってCIS系、CIGS系と呼ばれる種類がある。太陽電池そのものの厚みは2~4μm程度で変換効率8~12%程度の性能のものが市販されている。
化合物系太陽電池はIn、Ga、As(インジウム、ガリウム、ヒ素)等、元素の周期律表でIII、V族の元素を使用することから、III-V族系と呼ばれることもある。高効率で放射線耐性が優れているため、宇宙用太陽電池として実用化されている。集光型のセルに利用することで、より高効率を目指す取り組みも進められている。
(※4)色素増感太陽電池:
有機色素を用いて光起電力を得る太陽電池。透明電極の間に微量のルテニウム錯体などの色素を吸着させた二酸化チタン層と電解質を挟み込んだ構造をしており、光化学反応に基づいて発電する。材料は安価、製造方法もシンプルという特徴があるが、変換効率、耐久性が課題で、電解質の固体化など、種々の研究が進められている。
(※5)有機薄膜太陽電池:
電子受容材料と電子供与材料という2種類の有機半導体を組み合わせて作る太陽電池で、色素増感型太陽電池とは異なり全固体型の半導体デバイスである。変換効率は低いものの、電解液を用いず、印刷法による溶液塗布が可能なため、将来的には最も低コストで生産できる太陽電池として期待される。
(※6)太陽光発電ロードマップ(PV2030+):
太陽光発電の発展のための方策と取り組む方向を検討するために、将来への道筋、技術開発の方向性や課題等を広範囲に把握することを目的に、太陽光発電技術の専門家の意見に基づきNEDOが作成し、2009年6月に公表した。

 

 

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